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■バンディット250 キャブレター清掃(分解)
はじめに
キャブレターの清掃方法を紹介します。
今回のは相当長いです。。。長文失礼します。
まずは分解方法から記述します。清掃はこちらをご覧ください。
<使用工具>(キャブレターの各部を外すための工具のみ記載)
・プラスドライバー(+2のプラスドライバーがベスト) ⇒ チャンバー室、ダイアフラム室のネジを外すのに使います
・4mmの六角レンチ ⇒ ドレンボルトを取り外すのに使います
・7mmのボックスレンチ ⇒ チャンパ室内部のジェットホルダーの固定を外すために使います
・マイナスドライバー ⇒ −1か−2のドライバーがあればいいですが、−1だと細すぎる気がしますね…
<作業時間>
・30分〜1時間 ⇒ 外すものがいろいろありますので、意外に時間がかかります。
<使用ケミカル>
・キャブレタークリーナー
⇒WAKO'Sのキャブレタークリーナー溶剤タイプがお勧め。
泡タイプのクリーナーは界面活性剤が入っているので、泡タイプだけで清掃すると界面活性剤が残って、
ガソリンと混ざり合い、キャブレターの不調につながってしまいます。泡タイプはカーボンを浮かすだけの目的で使いましょう。
泡タイプ+溶剤タイプがあれば完璧です!
○キャブレター各部の大雑把な説明
ここからは、専門用語チックな単語が飛び交います。
軽く予習ということで、説明に使う用語を写真を交えて説明します^^;
・アイドリング調整つまみ&ワイヤー
⇒スロットルの開度を調整するつまみです。これを回すことで、アイドリングを調整します。
・オーバーフローパイプ
⇒チャンパー室内に過剰に溜まったガソリンを排出するためのパイプです。ここからガソリンが漏れ出すと俗に言うオーバーフローです。
・チャンバー室
⇒ここにタンクから流れてきたガソリンが溜まります。ここに、溜まったガソリンを霧のように噴射する機構がつまっています。
・パイロットスクリュー(P/S)
⇒アイドリング時のガソリン流量(ガソリンの量)を調整するバルブです。ちなみに、ここの設定規定値は「1回転」です。
・ジェットホルダー
⇒メインジェット、スロージェット、パイロットジェットの3つのジェットが格納されているホルダーです。
これも実は消耗品です。
・フロートASSY
⇒チャンバー室のガソリンの量を調整する浮き袋的な役割をしています。
チャンバー室内の仕組みとしては、水洗トイレの水槽をイメージしていただければ分かりやすいです。
最大に浮いているときは、ガソリンをチャンバー室内に送らない。
最大でなければ、ガソリンをチャンバー室内へ送り込む…みたいな感じです。
ここが、磨耗や故障で動きがおかしくなると、チャンバー室内に余計なガソリンが入り込み、「オーバーフロー」となります。。
・メインジェット(#105)
⇒スロットル開度が大きなとき(全開走行)に、主に使用されるジェットです。。
・スタータージェット(#40)
⇒スロットル開度が中程度(主に走行中)に、主に使用されるジェットです。。
・パイロットジェット(#12.5) ※45馬力型では、#15
⇒スロットル開度が小さいとき(アイドリング及び停車時)に主に使用されるジェットです。
※ちなみに、各ジェットの奥にはゴムのOリングが入っています。
・ジェットホルダーガスケット
⇒各ジェットから流れるガソリンが、他のジェット穴へ漏れないようにせき止めているゴムのガスケットです。
ちなみに消耗品です。交換の目安は、基本的に「取り外すたびに交換」です。…が、2〜3回までなら何とか使えます^^;
1)アイドリング調整ワイヤーの固定を外す
エンジンからキャブレターを外すと、写真のようにキャブレターだけが独立した状態になりますね。(当たり前ですがw)
ここから、キャブレターの清掃を始めます。
外したばかりの状態だと、アイドリング調整ワイヤーがキャブレターに固定された状態になっています。
この固定を外してあげます。
2)チャンバー室を開ける
アイドリング調整ワイヤーを固定から外したら、次は、各気筒のチャンバー室を開けます。
上下にネジで固定されていますので、このネジをプラスドライバーで緩めます。
長い間開けていないと、このネジが異様に固い場合がありますので、くれぐれもなめないように慎重に緩めてください。
ネジを緩めたら、完全にネジを取り外します。
取り外したら、ネジをなくさないように大事にしまっておいてください。
次にチャンバー室のふたを外します。
チャンバー室のふたには、オーバーフローパイプが斜めに延びています。オーバーフローパイプを曲げないように
気持ち斜め上にずらしながら、ゆっくり外してください。
3)フロートASSYの取り外し
チャンバー室のふたを取り外したら、チャンバー室の中があらわになります。
ここに、茶色のプラスチックの部品が見えますが、これがフロートASSYです。主にこのフロートASSYの不具合でオーバーフローが起こります。
フロートASSYだけが原因というわけではないんですが、僕が真っ先に疑うのはこの部分です。
プラスチックなので、無理な力を加えると折れてしまいます。
折れないように慎重に外します。
フロートASSYは各チャンバー室それぞれに1つずつ組み付いていますが、別のチャンバー室には戻さないように注意しましょう。
各気筒でガソリンの流れ方が異なっていたりして、各チャンバー室ごとに微妙なクセが付いています。
4)ジェットホルダーとジェットの取り外し
次はジェットホルダーを取り外します。
ここは、7mmの六角ボルトで留まっていますので、7mmのソケットレンチかオープンレンチでここを緩めます。
度々外しているのであれば、この部分はあまり固くはないと思いますが、かなり長い間外していないとかなり固くなっていることがあります。
その場合は、無理にオープンレンチを使わないほうが無難です。(ねじ山をなめる恐れがあるためです)
ボルトを外すとこのような感じになります。
ボルトを外すとジェットホルダーがフリーになりますので、手でジェットホルダーを外します。
※長らく外していない車両だと、ジェットホルダーが固着してる可能性もあります。
ジェットホルダーガスケットを購入していない場合は無理に外さず、そのままにしておいたほうが得策です。
ジェットホルダーの内側はこのようになっています。
ジェットホルダーガスケットは、複雑な形をしたゴムの部品です。長らく外していない車両は、このガスケットが非常にもろくなっている可能性があります。
ガスケットを爪でやさしくホルダーから外してあげます。
外した後はなくさないように、どこかに置いておいてください。
次はジェットホルダーからジェットを外します。
ジェットの各部位の取り付け位置を覚えておきましょう。メインジェットとスタータージェットは形が一緒です。
(穴の大きさが違うので、取り付けるときは穴の大きさで判別しましょう)
上記までの作業を4気筒分すべて行います。
5)分解完了
ここまでバラせばチャンパー室の分解は終了です。
次は清掃を行います。(次へ進むにはこちらをクリック)