※画像をクリックすると拡大表示します!
■バンディット250 チェーンの注油
はじめに
日常的なメンテナンスとして頻繁に行う必要があるのが、チェーンの注油です。
この作業を行うことによって、チェーンの潤滑だけでなく、チェーンの寿命延長、
エンジンパワーの伝達効率向上、スプロケットの磨耗減少などの効果が期待できます。
<<使用工具>>
・特に無し
<<使用ケミカル>>
・チェーンクリーナー(メーカーは問いません)
おすすめは、DIDのチェーンクリーナー。
これもこれでちょっと値は張りますが、チェーンルブとのセットで売ってあることもあるので、
セットで買うとちょっぴりお得ですw
・チェーンルブ(メーカーは問いません)
おすすめは、WAKO'SのCHLチェーンルブ。サーキットで提供していたので、試しに使ってみましたが、
タイヤに飛び散ることもなく、チェーンもしっかり潤滑される素晴らしいチェーンルブでした。
容量の割りに高いのが玉に瑕^^;でも、そんなに量を添付する必要が無いので、案外良いかもしれません。
<<手順>>
※注意!
バンディット250に使われているチェーンは、シールチェーンという種類のチェーンです。
チェーンとチェーンのつなぎ目に、ゴムのリングでシール(封入)され、中にグリスが添付されてます。
自転車のチェーンの潤滑剤として有名なCRC556などの有機溶剤は使わないで下さい。
自転車のチェーンはシールチェーンではないので、556を使うことができますが、
シールチェーンに556を使用すると、ゴムシールを痛めるため、使用は厳禁です!
使用直後はいいかもしれませんが、徐々にゴムシールが痛み、シール内部のグリスが溶け出し、
チェーンがガチガチに固まります。
1)リアタイヤを浮かせる
チェーンの注油を行うには、まずリアタイヤを浮かせる必要があります。
バンディット250初期型には、センタースタンドが標準でついていますので、純正の方はセンタースタンドを
立てましょう。
カスタムを行っている車両、わざとセンタースタンドを外してしまっている車両は、メンテナンススタンドを
利用することで対応できます。
ちなみに僕は、後期のスイングアームを装着している&CBR600RRのカウル類を装着している関係上、
初期型なのにセンタースタンドがなく、メンテナンススタンドを利用するしかない状態です^^;
安いメーカーのものだと、5000円程度で入手できます。
メンテナンススタンドが高い!という方は、パンタジャッキをセンタースタンド部分やエキパイの集合部などに
当てて、リアタイヤを浮かせるのも手かもしれません。(あまりお勧めはしませんが…)
2)チェーンクリーナーをチェーンに吹き付ける
リアタイヤを浮かしたら、次はチェーンについた汚れや古い油脂を取るために、
チェーンクリーナーを吹いて掃除をします。
チェーンクリーナーを使うものありですが、灯油を付けた布で拭いてあげるのも良く落ちます。
チェーンクリーナーが高い!という方は、灯油で洗うのも一つの手ですね^^
チェーンクリーナーはチェーン全体に満遍なく吹き付けます。
チェーンクリーナーで全体がテカったな、というくらいで十分です。
クリーナーを吹いたら、古い油脂を浮かせるために数分〜十数分ほど放置します。
3)チェーンを掃除する
クリーナーを吹いて、しばらく放置したら、古くなった歯ブラシやチェーン用のブラシで
チェーンを掃除しましょう。
ブラシにクリーナーを適度に吹いて、ゴシゴシしてください。
この際、チェーンのリンク部分にあるゴムシールはあまり強くゴシゴシしないよう注意しましょう。
ゴムシールが痛み、封入されている油脂が溶け出してしまいます^^;
適度にやさしくゴシゴシしてあげてくださいねw
4)チェーンクリーナーを拭き取る
十分に掃除できたら、次はチェーンクリーナーを拭き取ります。
ウエス(布)を使い、ドリブンスプロケットとリアスプロケットの中間でチェーンを包み込むように
ウエスを当てがい、リアタイヤを「手で」回しながら拭き取ります。
※注意!
よくエンジンをかけて、ローギア(1速)に入れて回しながら拭き取る人がいますが、大変危険です!
布がチェーンに巻き取られ、そのまま一緒に手もドリブンスプロケットに巻き取られる可能性が高いです。
最悪、指か手を失います。
怖いことを書きますが、僕の友人が実際にそうなって、趣味であったギターが弾けなくなったという
過去がありましたので…。こういう失敗をされないためにも書かせてください。
5)チェーンルブを吹き付ける
チェーンクリーナーを拭き取ったら、次はチェーンルブを吹きつけ、チェーンを潤滑します。
チェーンルブは大量に吹き付ける必要はありません。
適度に吹き付けましょう。
もったいないですし、大量に吹き付けても、布で拭き取りますし、実際に運転すると分かりますが、
遠心力でチェーンルブが飛び散り、タイヤにべたべたチェーンルブがつくことになります。
バンクしたときに、その油が原因で転倒する事もあります。
チェーンルブを吹く前に、どこで1周したかを判別するための目印を決めておきます。
僕は、チェーンをカシメ(繋いで)いるリンク部分を参考にして、1周だけ吹き付けています。
チェーンは1つ1つ繋ぎ合わされて作られています。
その1つ1つを「リンク」と呼びます。
チェーンルブはこのリンクの中間にシュッ、シュッと0.2〜1.0秒(チェーンルブの種類によって噴射圧力が異なります)
くらいの時間吹き付けるだけで十分です。
内側に向かって吹き付ければ、運転中に遠心力で全体に潤滑されます。
全部のリンクに吹き付けてください。
6)余分なチェーンルブを拭き取る
結局、散々「ちょっとで十分です」とか言いながら、結局拭くんかいというツッコミしてくださった方、
申し訳ない。結局拭きます。
ちょっとで十分と思っても、意外と吹き付けられているかもしれないので、念には念をということで、
余分なチェーンルブを拭き取りましょう。
チェーンクリーナーを拭き取る要領と一緒です。
ドリブンスプロケットとリアスプロケットの真ん中あたりにウエスを当てがって、
リアタイヤを「手で」回しながら拭き取ります。
僕は、リアスプロケットの外側で拭いていますが、上で書いた位置で拭き取ると
十分に拭き取ることが出来るはずです。
以上で、チェーンの注油方法の説明を終わります。
今回は怖いことを書きましたが、安全にメンテナンスをして欲しいので、あえて書かせていただきました。